投稿日:2025.05.14 最終更新日:2025.05.14
米中関税緩和で国際物流に変化!運賃高騰と北米航路の供給不足が深刻化

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■ 米中関税合意の概要:90日間の一時的緩和措置
アメリカと中国が一部輸入品への報復関税を引き下げる合意に達しました。 これにより、アメリカの対中関税は実質30%に、中国の対米関税は10%に軽減されます。 ただし、これは90日間限定の措置で、対象品目にも制限があります。 たとえば、アメリカの自動車・鉄鋼・アルミニウムなどは対象外となっています。
■ 船会社の北米向けサービスが“即復活できない”現実
関税緩和があっても、物流量がすぐに回復するとは限りません。 その理由の一つが、北米向け航路の一部停止です。 たとえば、「オーシャンアライアンス」や「THEアライアンス」などの大手船社連合は、トランプ政権時代の政策以降、中国発・北米向けの航路を一部休止していました。 航路の再開には時間とコストがかかるため、需要が急増しても供給が追いつかず、結果として運賃が高騰する可能性があります。
■ すでに貨物は“出荷待ち”状態に?
海事新聞によれば、アメリカの小売業界では関税緩和を見越して出荷を待っていた貨物が積み上がっているとのこと。 関税が下がった今、「さあ出荷しよう!」となっても、肝心の船が足りないという事態に直面しています。 この状況では、スペースは限定的、需要は急増しているため、海上運賃が上昇傾向を続ける可能性が高まります。
■ スポット運賃の最新動向(5月9日時点)
上海発・北米向けスポット運賃: 北米西岸向け:2,347ドル 北米東岸向け:3,335ドル
今後、この運賃がどこまで上がるかは、船会社の供給力と荷主の出荷戦略に大きく左右されます。
■ 今後の注目ポイント
- 関税緩和終了後に物流が再び停滞するリスク
- 船会社のサービス再編が間に合うか
- スポット運賃の上昇トレンドがどこまで続くか
物流業界・荷主にとって、この“90日間”の動きが大きな鍵となりそうです。