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スエズ運河の通航再開は未定 喜望峰経由ルートが長期化か!?

スエズ運河の通航再開は未定 喜望峰経由ルートが長期化か!? | イーノさんのロジラジ

こんにちは、イーノです。
今回はスエズ運河・紅海情勢の最新動向と、物流業界への影響についてお届けします。


フーシ派、ガザ侵攻終了まで軍事作戦継続を表明

イエメンの武装組織「フーシ派」は、紅海やアラビア海での商船攻撃を継続すると発表しました。

彼らは「イスラエルによるガザ侵攻が完全に終了するまで作戦をやめない」と明言しており、紅海〜スエズ運河の航路安全は依然確保できていません。

米国の攻撃停止後も緊張続く

アメリカは2025年3月以降、限定的な空爆を実施してきましたが、現在は直接攻撃を停止中

一方で、フーシ派は停戦に応じる様子を見せていません。

そのため、紅海を通る航路は「危険水域」とされ、多くの船社は慎重な姿勢を崩していません。

主流は「喜望峰経由」へ移行

現在、多くの船社がスエズ運河を避け、南アフリカの喜望峰を経由するルートを選択しています。

例えば、アジアから欧州への輸送では、スエズ経由なら約25〜30日ですが、喜望峰経由では10日以上の遅延高い燃料コストが発生します。 それでも安全を最優先とするため、長距離ルートの利用が続いています。

スエズ運河庁の通行料割引は効果薄

スエズ運河庁は最大15%の通行料割引を実施中。 しかし、安全性が担保されない限り、船社の通航再開は見込めないというのが実情です。

通行料の値下げより、今は航路の安全確保が最優先となっています。

今後の見通し:紅海ルートの正常化は不透明

紅海航路の正常化は、イスラエル・パレスチナ間の停戦交渉の進展に大きく依存しています。

しかし交渉は難航しており、短期的な回復は難しい見通しです。

このため、喜望峰経由のルートが当面の主流となり、運賃上昇や納期の不安定化を招いています。

まとめ:物流業界は長期戦を覚悟した対応を

スエズ運河の機能不全により、船社や荷主は代替ルートを前提としたオペレーションの再構築が求められています。

また、コスト上昇への価格交渉在庫管理体制の強化も今後のカギとなるでしょう。

「紅海問題」はもはや一過性ではなく、中期的な構造変化の一部と認識する必要があります。

今後も情勢を注視しながら、柔軟で迅速な対応を心がけていきましょう。

動画視聴はこちらから