投稿日:2025.07.16 最終更新日:2025.07.16
アメリカCPI発表と関税の影響分析:6月は物価安定も今後は注視

2025年7月16日付の日経新聞では、アメリカ6月のCPI(消費者物価指数)が発表されました。
関税の影響が注目される中、実際の数値や市場の反応、FRBとトランプ氏の姿勢について解説します。
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6月CPIの動きと関税の影響
6月の総合CPIは前月比+0.2%と、市場予想の+0.3%を下回りました。エネルギーと食品を除いたコアCPIも同じく+0.2%で、インフレ加速は見られませんでした。
物価項目別では、新車が-0.3%、中古車は-0.7%と2カ月連続の下落。
関税の影響が価格に転嫁されていないことを示唆しています。
家具は+0.4%、家電は+1.9%と若干の上昇も見られましたが、誤差の範囲とされています。
前年比ではCPIが+2.7%、コアCPIが+2.9%と、全体的には穏やかな上昇傾向にあります。
急激な物価上昇とは言えず、現時点では落ち着いた水準と評価されます。
市場の反応と政策スタンスの違い
アトランタ連銀のボスティック総裁は、価格転嫁には1年以上かかると述べています。 また、セントルイス連銀も年後半〜来年にかけて影響が出てくる可能性に言及しました。
一方、トランプ氏は「インフレの兆候はない」とし、FRBに早期の利下げを強く求めています。
経済刺激を重視するトランプ氏と慎重なFRBの姿勢にズレが見られます。パウエル議長は7〜8月の動向を見極める必要があるとして、現時点での政策変更には否定的です。
今後の関税交渉とインフレ懸念
米国はインドネシアとの交渉により、関税率を32%から19%に引き下げました。さらに相互無税措置も提示され、柔軟な外交姿勢が明らかになっています。
一方で、ブラジルでは50%の関税引き上げが報じられ、国ごとに影響は異なることも浮き彫りになりました。
現在は企業がコストを吸収していますが、今後じわじわと価格に反映される可能性があります。
企業が吸収できるコストには限界があり、年後半以降にインフレ圧力が高まるリスクもあります。
物価動向と合わせて、FRBの対応やトランプ氏の姿勢に注目が集まります。
まとめ:関税とインフレの見通し
6月時点では、関税の物価への影響は限定的で、CPIも予想を下回りました。
しかし、今後価格転嫁が進めば、インフレ再燃の可能性も否定できません。 企業や消費者にとって、今後の政策対応と物価動向は重要な判断材料となるでしょう。