投稿日:2025.07.17 最終更新日:2025.07.17
紅海の航路、2025年も厳しいまま。スエズ経由復活はまだ先か?

2023年末から続く紅海の混乱、まだまだ終わりが見えません。
「そろそろスエズ運河、通れるんじゃないの?」と思ってた方もいるかもしれませんが……残念ながら、2025年7月時点でも復旧の見通しは立っていません。
というのも、つい最近になってフーシ派が再び商船を攻撃。この影響で、航路の安全性が再び疑問視されているんです。
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フーシ派の攻撃再開、商船への直接的な被害も…
まずは7月に入ってからの出来事から。
イエメン沖の紅海で、フーシ派が商船を攻撃し、乗組員3名が死亡するという痛ましい事件が起きました。
「最近は静かだったからもう大丈夫かな…」という空気があっただけに、衝撃です。
S&Pグローバルの中東専門家、ケネディ氏はこう言っています:
「フーシ派は依然として攻撃能力を保っている。これは沈静化ではなく“潜伏”だった」
つまり、動いていなかったのではなく、“準備してた”ということですね。
「年内スエズ再開」は夢物語?
この攻撃を受けて、海運会社各社の方針は明確です。スエズには戻らない。年内は使わない。
特にマースクは5月の段階で、「2025年中のスエズ再開はない」と明言。
アライアンスやネットワークも、紅海を避けたまま運用されています。
Journal of Commerceのラース・イェンセン氏も、「中期的に見ても、スエズ経由のルート復活は期待できない」とバッサリ。
供給過多が免れている
Drewryの予測では、コンテナ船業界の2025年の営業利益は、前年500億ドル → 200億ドルに半減する見通し。
それでもなんとか保っているのは、紅海回避で供給過多を吸収してるからとも言えます。
トランプ大統領「フーシ派は降伏した」は本当?
ちなみにトランプ大統領は、メディアに対してこう発言:
「フーシ派はもう降伏した。紅海の問題は終わった」
ですが、フーシ派は今回の攻撃で、むしろ「まだまだ戦えるぞ」というメッセージを発したわけです。
まとめ
2025年7月時点でも、紅海をめぐる情勢は依然として不安定なままで、スエズ運河経由の航路は各海運会社にとって依然「使えないルート」となっています。
今後もしばらくは、「スエズ抜き」のネットワークが常態化し、紅海を避けた物流オペレーションが続くと見られます。
企業やロジスティクス担当者は、長期的な視点で航路設計やコスト管理を見直していく必要がありそうです。