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アメリカ初の大陸横断鉄道ついに誕生か!?UPがNSを850億ドルで買収へ

アメリカ初の大陸横断鉄道ついに誕生か!?UPがNSを850億ドルで買収へ | イーノさんのロジラジ

アメリカの鉄道大手、ユニオン・パシフィック(UP)がノーフォーク・サザン(NS)を850億ドルで買収することに合意しました。

これは単なるM&Aではなく鉄道と物流の歴史を塗り替えるかもしれない大きな転換点です。

アメリカの鉄道は東西で分かれている

アメリカの鉄道網は、19世紀の大陸横断鉄道開通以来、東側と西側に分かれて運営されてきました。


西部:UPやBNSF
東部:NSやCSX

この分断により、貨物は途中で積み替える必要がありました

しかし、今回の統合により、1社でロサンゼルスからノーフォークまで直送できる体制が実現する可能性があります。

統合後の規模と狙い

・買収額:850億ドル(約12兆円)
・NS株主:現金88.82ドル+UP株1株
・統合企業の価値:約2,500億ドル
・シナジー効果:年間約27.5億ドル

統合後は全米43州にまたがる8万kmの路線と100以上の港へアクセスを持つ巨大ネットワークが誕生。

これは現在最大規模のBNSFをも凌駕します。

インターモーダル輸送がよりスムーズに

港から内陸都市への輸送がシームレスになり、モーダルシフトやCO2削減効果も期待されています。

背景にはCPKCの存在

2023年に誕生したCPKC(カナダ〜アメリカ〜メキシコ縦断ネットワーク)に対抗する形で、UPは東西を一気通貫で結ぶ横断ネットワークを構築しようとしています。

これは単なる経営判断ではなく、鉄道業界のパワーバランスを揺るがす動きです。

物流の現場では何が変わるのか?

・積み替えの手間とコストが削減
・リードタイムが安定
・輸送設計がシンプルに
・環境負荷が軽減
・荷主の選択肢が拡大

これまで敬遠されていた長距離鉄道輸送が、鉄道1本で完結するなら使いたいという選択肢になる可能性も出てきました。

懸念点もある

独占化による反トラスト法の懸念
・料金上昇リスク
・労働組合の反発
・都市部での効果の不透明性
米上院のシューマー議員も懸念を表明しており、統合完了は最短でも2027年初頭とされています。

まとめ

今回の買収はただの企業合併ではなく、物流インフラを根本から書き換える出来事。

「アメリカの鉄道は変わらない」と思っていた時代は終わるかもしれません。

物流業界にとっては、今こそ“次の一手”を考えるタイミングです。

動画視聴はこちらから