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米国が自動車関税を25%→15%に引き下げ!日本車メーカーに追い風か

米国が自動車関税を25%→15%に引き下げ!日本車メーカーに追い風か | イーノさんのロジラジ

今日のテーマは「トランプ大統領による自動車関税引き下げ」です。

先日、トランプ大統領が署名した大統領令によって、日本からアメリカへ輸出される自動車にかかる関税が、これまでの25%から最終的に15%に引き下げられることになりました。

今回の大統領令のポイント

これまで25%だった自動車関税を12.5%に下げ、既存の2.5%と合わせて15%にする内容です。

しかも、この新しい税率は8月7日に遡って適用されるので、それ以降に払った関税は還付されることになります。

さらに注目すべきは、「日本産」と認められる自動車の基準を新たに設けること。

一部の小型トラックや部品などは関税免除の対象になるという点も見逃せません。

一方で、日本は米国産コメの輸入を増やすことや、大豆・トウモロコシなどの農産品を輸入することも合意に含まれており典型的な相互譲歩型のディールになっています。

自動車業界・物流への影響

自動車関税が下がれば、日本のメーカーにとっては輸出コストが下がるため、販売価格に反映されやすくなります。

特にトヨタ、ホンダ、日産といったアメリカ市場に依存度の高いメーカーにとっては追い風になりますね。

物流面では、自動車輸送の安定化や北米向けの船腹需要の増加につながる可能性があります。

輸送量が読めるようになることで、船会社にとっても運賃設定やスケジュールの安定にプラス要因です。

なぜアメリカは譲歩したのか?

ここからが今日の深掘りポイントです。

なぜ、これまで強硬姿勢を取ってきたアメリカが、今回関税を引き下げたのか。

その背景には3つの理由があると考えられます。

① 裁判所の圧力

実はアメリカ国内で「トランプ関税は違法」とする判決が出始めています。

もし最高裁で敗訴すれば、関税政策自体が崩壊しかねない

だからこそ、リスクを分散するために一部譲歩したという側面があります【Reuters】【The Guardian】。

② 日本からの巨額投資

今回の合意には、日本からアメリカへの5500億ドル(約80兆円)規模の投資が盛り込まれています。

関税を下げる代わりにこの投資を呼び込む狙いが大きかったと見られます【Times of India】。

③ 高関税が国内に与える悪影響

25%という高関税は、結局アメリカ国内で車の価格を押し上げ、消費者の購買意欲を削ぐリスクがありました。

経済界からの圧力も強まる中、「一部引き下げて経済へのダメージを和らげる」必要があったのです【Kiplinger】【Washington Post】。

まとめ

つまり、トランプ政権の今回の譲歩は、単なる日米交渉の成果というよりも、裁判リスクへの対応、巨額投資の確保、アメリカ国内経済の調整といった複合的な事情が背景にあります。


これからの焦点は、「新しい日本産の基準」がどう決まるか、そして関税引き下げで日本車メーカーがどこまで販売を伸ばせるか

物流の現場にとっても、非常に注目度の高いテーマになっていきそうです。

動画視聴はこちらから