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AIが激変させる海運業界の未来|コンテナ輸送と物流の利益構造が変わる

AIが激変させる海運業界の未来|コンテナ輸送と物流の利益構造が変わる | イーノさんのロジラジ

AIの衝撃は海運業界にも来る

最近、AIの話題があちこちで出ていますよね。

アマゾンのCEOは「将来的に従業員が減る」と言いましたし、フォードのCEOは「ホワイトカラーの半分をAIが置き換える」とまで言いました。

広告会社や調査会社の株価もAIの影響で急落しています。


こう考えると、海運・物流だけが影響を受けないなんてあり得ません。

むしろAIの導入で劇的に変わる業界のひとつだと僕は思っています。

利益を徹底追求する海運会社

昔の船会社は「お客さんに荷物をきちんと届けること」が最優先でした。

燃料代を惜しまず、定刻を守るのが当たり前だったんです。

でも2008年の金融危機以降、考え方はガラッと変わりました。

燃料を節約するスロースチーミングが始まり、コロナ禍では欠航が当たり前に。

結果として港湾混雑や船腹不足が「むしろ利益を生む仕組み」になったんです。

2020〜23年に業界全体で4,000億ドル以上の利益を出したのは、その証拠ですよね。

AIで利益最大化の未来

ではAIがどう使われるか。

船隊のデータ、積載コンテナ、顧客契約、スポットレート、港湾の混雑状況、燃料消費量など、すべての情報をAIに学習させて「利益を最大化する運航をして」と指示する

するとAIが「どの船をどこに出すか」「どの顧客を優先するか」「誰にどの料金を提示するか」を決めてくれるわけです。

Googleは昨年、船会社のネットワークをAIで設計するAPIを発表しました。

それによると「利益を2倍に、コンテナ取扱量を13%増やし、必要船隊を15%減らせる」としています。

CMA-CGMもMistral AIと1億ユーロ規模の投資をして、「AIによる会社変革」を打ち出しています。

関係重視から利益重視へ

もちろん、海運業界は昔から「顧客との関係」が重視されてきました。

AIに意思決定を任せるなんて、従来の文化からすればかなりラディカルです。

でもコロナ以降、船会社は「自分たちは利益を追求する企業だ」と割り切るようになってきています。

AIはその流れを一気に加速させるはずです。

まとめ

これからのコンテナ海運は「AIがオペレーションを握る時代」になるかもしれません。


荷主にとっては便利さより「条件次第で後回しにされる」リスクも出てくるでしょう。

でも一方で、業界全体としては効率化・コスト削減・脱炭素化に直結する大きなチャンス

僕ら物流プレーヤーは、この変化を「他人事」と思わずに、どう関わっていくかを考える必要があります。

動画視聴はこちらから