投稿日:2025.09.10 最終更新日:2025.09.10
中国ECが欧州へ急拡大中!デミニミス撤廃で航空貨物ルートが激変

今日は中国の越境EC貨物が米国から欧州にシフトしている、という最新のニュースを取り上げます。
物流業界にとって非常に重要な動きなので、詳しく解説していきますね。
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中国ECの欧州シフトが加速
まず大きな背景にあるのは「デミニミスルール」の撤廃です。
米国ではこれまで800ドル以下の小口貨物は関税免除されていましたが、トランプ政権がこの優遇を取りやめたことで、中国発の米国向けEC貨物が激減しました。
その結果、中国のEC事業者たちは輸出先を欧州へと切り替えています。
データを見ても、7月の中国発欧州向け越境EC貨物は前年比でなんと90%増!これはすごい数字です。
NCAが欧州路線を強化
こうした動きを受けて、日本貨物航空(NCA)は9月からフランクフルト線を新設。
これまでのミラノ、アムステルダムに加えて、欧州最大のハブ空港であるフランクフルトに就航しました。
これで欧州路線は週4便から週5便に拡大です。
これは明らかに、増える欧州向けEC貨物を取り込む狙いですね。
世界の航空貨物市場の流れ
世界全体で見ると、7月の航空貨物量は前年比5%増でした。
その中でも欧州向けが際立って伸びています。
逆に米中間のEC貨物は急減。
米国市場は「Temu」や「SHEIN」の台頭で2023年から活況でしたが、今は関税政策の影響で冷え込みが見られます。
一方で、東南アジアや中南米、中東など、他の市場にも貨物がシフトしているようです。
EC事業者の動きは本当に柔軟で、政策の変化に敏感なんですよね。
日本発の貨物の動き
日本からの輸出も影響を受けています。
7月は米州向けの混載重量が9%増。自動車や機械関連などが“在庫積み増し”として一気に動いたんですが、7月下旬の日米関税合意でひと段落。
お盆の休暇も重なって需要は少し落ち着いた状況です。
ただ、長期契約運賃は依然として高止まりしています。
中国ECの影響でスポット市況が変動するため、日本発の航空運賃もその波を受けやすいんです。
まとめ
要するに、米国がデミニミスルールを撤廃したことで、中国ECは欧州や新興市場にシフト。
NCAをはじめ航空会社は路線を拡大して対応しています。
これは今後も航空貨物市場の大きな流れを決める要因になりそうです。