投稿日:2025.12.12 最終更新日:2025.12.12
【30年ぶり】日本通運が通関料25%改定
日本通運は、2026年1月から通関業務料金を平均で約25%引き上げると発表しました。
この改定は、事実上およそ30年ぶりとなる極めて異例の動きです。
なぜ今、通関料は上がるのか
今回の改定は、単なる値上げではありません。
価格の正常化と捉える必要があります。
通関業界では、1990年代に設定された価格水準が、法的根拠を失った後も、事実上の価格拘束として残り続けてきました。
その一方で、通関業務を取り巻く環境は大きく変化しています。
- 人件費を中心とした労務コストの上昇
- EPA拡大による原産地規則判断の高度化
- 安全保障関連・他法令確認の厳格化
- AEOやコンプライアンス維持の負担増
価格だけが据え置かれ、業務負荷だけが増え続けてきた構造が、限界に達した形です。
業界と荷主企業への影響
今回の日本通運の動きは、業界全体への波及が予想されます。
他の大手フォワーダーも、同様の価格改定に踏み切る可能性があります。
荷主企業にとっては、輸送運賃だけでなく、これまで見えにくかった通関費用も含めた、サプライチェーン全体のコスト再評価が必要になります。
通関は、国際物流を支える重要なインフラです。
適正な対価が確保されなければ、品質やコンプライアンスの維持は困難になります。
今回の改定は、日本の国際物流構造が転換点を迎えていることを示しています。






