投稿日:2025.12.18 最終更新日:2025.12.18
2025年荷動き過去最多が示す物流重心の変化
2025年の世界のコンテナ荷動きは、過去最多を更新する見通しとなっています。
日本郵船の調査では、2025年1月から10月までの累計取扱量が、前年同期比で4%増となりました。
景気の先行き不透明感が指摘される中でも、モノの流れ自体は非常に活発であることが分かります。
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北米の減速と新興国の急成長
地域別に見ると、これまで牽引役だった北米向けは減速しています。
アジア発北米向けは、前年同期比で4%減少しました。
一方で、欧州や新興国向けは力強い伸びを示しています。
- 欧州向けは9%増
- 中南米 中東 インド亜大陸向けは15%増
- アフリカ向けは26%増
特にアフリカ向けの荷動きは、中南米に迫る規模まで拡大しています。
関税が変える物流の出発点
米国の関税政策は、物流の起点そのものを変えています。
中国発の荷動きが減少する一方で、ASEAN発の荷動きは前年を上回る水準で推移しています。
生産拠点や調達先が分散し、物流網が多極化していることが数字から読み取れます。
今後の注意点
喜望峰迂回が船腹需要を支えている一方で、2026年以降の供給過剰リスクも指摘されています。
短期的な好調だけでなく、地政学リスクの変化が需給を一変させる可能性を見据えた判断が必要です。






