投稿日:2026.01.15 最終更新日:2026.01.15
【2026年北米向け海上輸送】春節前で運賃40%急騰。これって本当に強気相場?
今回は、2026年の北米向け海上輸送について、春節前の駆け込み需要でスポット運賃が一気に跳ね上がっている今の市況を、少し噛み砕いて見ていきたいと思います。
数字だけを見ると「お、回復してきた?」と思いがちですが、実は中身をよく見ると、そう単純な話でもありません。
この上昇は一時的なのか、それとも本当に流れが変わったのか。
そのあたりを整理していきましょう。
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北米向け運賃が4週間で40%超アップ
まずは足元の数字からです。
Plattsのデータを見ると、北アジアから北米西海岸向けのスポット運賃は、12月中旬からわずか4週間で約42%も上昇して、40フィートあたり2,175ドルまで来ています。
東海岸向けも同じような動きで、こちらは33%上昇して3,175ドルです。
DrewryのWCIでも、上海発ロサンゼルス向けが3,000ドル台に戻ってきていて、北米向け全体で「明らかに底を打った感」は出ています。
ここまで短期間で動くと、現場としては無視できないレベルです。
やっぱり春節前の駆け込みが効いている
じゃあ、なぜこのタイミングで上がったのか。
一番分かりやすい理由は春節前の駆け込み需要です。
2026年の春節は2月17日で、今年はやや遅めです。
中国の工場が止まる前に、とにかく今のうちに出しておこうという動きが1月に入って一気に強まりました。
- 中国工場の長期休暇前出荷
- 北米小売の最低限の在庫補充
- 春節後の物流停滞を避けたい心理
ロサンゼルス・ロングビーチ港の見通しでも、1月前半は週21万〜22万TEUと、かなり高い水準が予想されています。
昨年のような関税絡みのパニックではありませんが、船会社が値上げするには十分な荷動きです。
供給を絞ってきた船会社の思惑も重なった
もう一つ見逃せないのが、船会社側の動きです。
2025年の後半、荷動きが落ち着いていた中で、各社はブランク・セーリングを使って、かなり意識的に供給を絞ってきました。
これが今の需要増と重なったことで、スポット運賃が一気に押し上げられたわけです。
需要だけでなく、供給のコントロールが効いているのが今回の特徴です。
でも2026年全体で見ると供給過剰は変わらない
ただし、ここは冷静に見ておきたいところです。
DHLや各種レポートを見ると、2026年のコンテナ船の供給能力は前年比で4〜5%増と見られています。
一方、需要の伸びは3%前後にとどまる予測です。
つまり構造的には、船は余っているという状況は何も変わっていません。
今の運賃上昇は、あくまで季節要因と供給調整が重なった結果と考えるのが自然です。
春節後と長期契約交渉が本当の勝負どころ
今後の注目ポイントはシンプルです。
- 春節明けの反動減がどれくらい出るか
- 2026〜27年の長期契約交渉をどこで決着させるか
春節が終われば、例年通り閑散期に入ります。
供給過剰の前提がある以上、運賃がまた下向く可能性は十分あります。
船会社としては、今の高いスポットを材料に契約運賃を引き上げたいところですが、荷主側も状況は分かっています。
交渉は引き続き荷主有利で進む可能性が高そうです。
まとめ
今の北米向け運賃上昇は、春節前の一時的な強さがかなり大きいです。
2026年全体で見れば供給過剰感は依然として残っていて、春節後の動きと長期契約が本当の分かれ目になります。
今の数字だけを見て判断しないことが、今年の市況を読む上で大事になりそうですね。
本日は以上です。ありがとうございました。






