投稿日:2026.03.18 最終更新日:2026.03.19
航空貨物運賃6ドル突破?エアカーゴ市場に異変
今回は「航空貨物運賃、アジア発欧州 上昇続く。ベトナム・台湾6ドル超え」というニュースをもとに、中東情勢の悪化が航空貨物市場に与えている影響を少しカジュアルに整理してみます。
最近、航空貨物の世界で少し気になる動きが出ています。
アジアからヨーロッパ向けの運賃が、じわじわではなくかなり勢いよく上がっているんです。
そしてついに、いくつかの路線では1キロ6ドルという水準を突破しました。
エアカーゴ業界では、この「6ドル」というラインはなかなかのインパクトがあります。
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ベトナムと台湾が6ドル突破
TACインデックスの最新データを見ると、ベトナム発欧州向けの航空運賃は6.04ドル。
台湾発は6.68ドルまで上昇し、前年比で見ると、ベトナムは45%増、台湾は63%増です。
つまり「少し上がった」というよりは、かなりはっきりした値上がりと言えます。
ちなみにベトナム発が6ドルを超えるのは2024年11月以来、台湾発だと2022年以来の高水準になります。
アジア→欧州エアカーゴ運賃の目安
ベトナム:6.04ドル
台湾:6.68ドル
原因は中東ハブの混乱
では、なぜここまで運賃が上がっているのでしょうか。
一番大きいのは中東ハブの機能低下です。
実はアジアとヨーロッパを結ぶ航空貨物の約30%は、中東のハブ空港を経由しています。
例えば
- ドーハ(カタール航空)
- ドバイ(エミレーツ航空)
といった空港です。
ところが今回の中東情勢の緊張で、この中東経由の貨物便が大きく減ってしまいました。
結果として欧州向けの貨物スペースが不足し、需給バランスが崩れたことで運賃が急上昇しています。
ロシア上空問題も影響
さらに今回の問題を大きくしているのが、航空ルートの制限です。
ロシア・ウクライナ戦争以降、多くの航空会社がロシア上空を避けて飛行しており、そのためアジアと欧州を結ぶ航空ルートは、中東経由に依存する割合が高くなっていました。
つまり今回の中東情勢は、すでに余裕がなくなっていた航空ネットワークを直撃した形になっています。
燃料費も上昇
運賃上昇に加えて、もう一つの問題が燃料費です。
ジェット燃料の価格上昇を受けて、航空貨物のFSC(燃油サーチャージ)も引き上げられています。
マースクは航空貨物輸送で運賃の15%を燃料費として充当する方針を示し、さらにTDS(輸送障害追加料金)の導入も発表しています。
航空貨物コスト上昇の主な要因
運賃の上昇
燃油サーチャージ増加
輸送障害追加料金
日本企業にも影響
この状況は日本企業にも影響します。
特にベトナムや台湾に製造拠点を持つ企業にとって、欧州向け輸送コストの上昇は無視できない問題です。
電子機器や自動車部品など航空輸送を使う製品では、物流コストの増加が収益を圧迫する可能性があります。
また日本から欧州向けの
- 精密機器
- 医薬品
などの高付加価値貨物でも、同様の影響が出ると考えられます。
物流戦略が変わる可能性
もしこの状況が長期化すれば、荷主企業は輸送方法の見直しを迫られます。
航空貨物だけに依存するのではなく、海上輸送の活用や在庫戦略の見直しなど、サプライチェーン全体の再設計が進む可能性があります。
今後起きる可能性のある変化
海上輸送へのモーダルシフト
在庫戦略の見直し
調達先の分散
航空貨物市場の変化は、単なる運賃の問題ではなく、世界の物流構造そのものに影響するテーマになりつつあります。






