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今治造船がJMUを子会社化、日本の造船業が世界4位へ再浮上か?

今治造船がJMUを子会社化、日本の造船業が世界4位へ再浮上か? | イーノさんのロジラジ

日本の造船業界が再編の動きを見せています!

2025年6月、国内最大手の今治造船が業界2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)を子会社化すると発表しました。これは単なる資本移動ではなく、日本造船の国際競争力を取り戻す大きな転換点とも言える動きです。

本記事では、今回の子会社化の背景と意義、今後の展望についてわかりやすく解説します。

今治造船×JMUで世界第4位の造船グループが誕生へ

2024年時点での建造量は
今治造船:328万総トン(世界6位)
JMU:141万総トン(世界12位)

単純合算すれば469万総トン。韓国のハンファオーシャン(370万総トン)を上回り、世界第4位の造船グループとなる可能性があります。

日本が世界トップクラスの造船国として返り咲く道が見えてきました。

統合の目的は「コスト競争力」の強化

この子会社化の背景には、中韓造船勢との激しいコスト競争があります。

これまでの提携は営業や設計の範囲にとどまり、原材料調達や製造面でのコスト削減には限界がありました。


しかし、今回の統合により、鋼材調達や製造拠点の統合によるスケールメリットが期待されます。

今治造船関係者は、「今までは助走期間だった。子会社化で本当の一枚岩になる」と語っています。

実は造船業は今がチャンス

一見すると苦境にあるように見える造船業界ですが、実は今が絶好のタイミングです。

JMUの2025年3月期決算:
・純利益199億円(前期比5.4倍)
・受注高は7202億円で過去最高

背景には、老朽船の更新需要、環境対応船の需要、海運市況の回復があります。

この好況の波を捉えた今回の動きは、将来の競争力を高める戦略的な投資といえます。

商船から艦艇まで対応可能な体制へ

今回の統合で、商船だけでなく防衛・特殊船までをカバーする体制が整います。

JMUは旧IHI・住友重機の艦艇技術を引き継いでおり、日米間の造船協力の枠組みに対応可能です。


将来的には、米軍艦の日本修理、極地対応の砕氷船建造など多様なニーズに応えることが期待されています。

アメリカによる中国船制裁も追い風に

アメリカでは、中国船舶に対する入港制限や関税強化が検討されています。

こうした地政学リスクの高まりを受け、品質と信頼性を備えた日本の造船業に再び注目が集まっています。


東南アジアや中東、欧州などで、中国依存からの脱却を図る動きが広がる中、日本の造船会社が代替先として選ばれる可能性は十分にあります。

まとめ

今治造船とJMUの統合は、単なる国内再編にとどまらず、世界市場での日本の存在感を高める大きな一歩です。

・建造量で世界第4位クラスの規模へ ・中韓勢に対抗するためのコスト競争力の強化 ・造船業界の好況を活かした戦略投資 ・商船から艦艇までのフルライン対応体制 ・地政学リスクを追い風に変える日本の優位性

この動きをきっかけに、日本の造船が再び世界の海をリードする時代が来るかもしれません。

今後の動向に、ますます注目が集まります。

動画視聴はこちらから