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商船三井、通期で経常利益を上方修正!関税影響も限定的!?

商船三井、通期で経常利益を上方修正!関税影響も限定的!? | イーノさんのロジラジ

2026年3月期、商船三井(MOL)が業績予想を上方修正しました。

経常利益は当初予想より200億円増の1,700億円。

今回のポイントは、「自動車船の関税リスクがほぼなし」「滞船緩和によるコスト削減」の2点です。

自動車船、関税影響「ほぼなし」

2025年春に懸念されていた米国の自動車関税強化ですが、日米合意の進展代替トレードの活発化により、商船三井の自動車船セグメントへの影響は実質ゼロとなりました。

当初は100億円超のマイナスを見込んでいましたが、今回の発表では「影響なし」というのが驚きです。

トランプ関税は他社に影響を与えている中で、今回の結果は非常にポジティブです。ただし、今後の政策変更には要注意です。

滞船緩和が利益を押し上げ

利益押し上げの要因として挙げられたのが、「中東・オーストラリア地域での滞船緩和」です。

滞船とは?
船が港に着いても荷役作業ができず、待機状態になること。港の混雑や設備トラブル、人員不足、天候要因が原因。

滞船が発生すると、用船料・人件費・燃料費などのコストが増大します。

2025年後半にかけて、紅海情勢やオーストラリアのストライキが落ち着き、船の回転効率が改善。これが利益拡大に繋がりました。

コンテナ船・ドライバルクも注視

コンテナ船の経常利益は前期比81%減ですが、米中関税の一部緩和などで、前回予想より60億円増加しました。

ドライバルクは10億円の赤字ですが、これはギアバルク買収による減価償却費の集中によるもの。今後の軽減効果が期待されます。

まとめ

予測不能なリスクへの対応力は、グローバル海運において極めて重要です。

トランプ関税で先行きが不透明な中、正確な情報収集と即応判断が収益を左右します。

今後も、地政学・港湾事情を見極めた戦略がカギになります。

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