投稿日:2025.12.25 最終更新日:2025.12.25
香港空港が過去最高更新 でも中身を見ると結構ヤバいです
香港空港の11月の貨物取扱量が、ついに過去最高を更新しました。
前年同月比で6%増、48万6,000トンです。
数字だけ見ると「絶好調じゃん」と思いますよね。
でも、よく見ると物流の中身がガラッと変わっています。
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北米向けは実は減っています
まず大事なポイントです。
今回の過去最高は、北米向けが伸びたからではありません。
むしろ、北米向けは減っています。
理由ははっきりしていて、アメリカの関税政策です。
2025年に入ってから、小口貨物への課税や、いわゆるデミニミスルールの撤廃が続きました。
その影響で、中国系ECを中心に、北米向けの航空貨物は勢いを失っています。
それでも過去最高になった理由
じゃあ、なぜ全体では過去最高なのか。
答えはシンプルです。
行き先が変わったからです。
北米の代わりに、欧州、中国本土、そしてインド向けの貨物が一気に増えました。
越境ECのプレーヤーたちは、「アメリカがダメなら他へ」という動きをかなり本気で進めています。
香港空港は、米国依存のハブから「多方面型ハブ」へ変わり始めています。
インドが地味に効いています
特に見逃せないのがインド向けです。
製造拠点の分散で、部材輸送が増えています。
それに加えて、インド国内の消費も確実に伸びています。
「脱中国」と言われがちですが、実際は中国+インド+欧州という複線型の動きです。
運賃が上がっているのも納得
貨物が増えれば、当然ですが運賃にも影響が出ます。
冬ダイヤでベリースペースが減る時期に、欧州や他地域向けの需要が重なりました。
その結果、北米向けも含めて航空運賃は高止まりしています。
2026年を見据えて何を考えるか
短期的には、この流れは春節前まで続きそうです。
ただ、中身は完全に入れ替わっています。
これから重要なのは、特定の国やレーンに依存しない物流設計です。
「量が増えた」だけで安心せず、「どこ向けが増えているのか」を見ておく必要があります。






