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商船三井が上方修正した本当の理由とは?多角化経営が効いた決算を読み解く

商船三井が上方修正した本当の理由とは?多角化経営が効いた決算を読み解く | イーノさんのロジラジ

最近の海運市況を見ていると「コンテナは厳しい」という声が多いですが、そんな中で商船三井が通期利益を上方修正したというニュースが出てきました。

「なぜこのタイミングで?」と気になった方も多いと思いますので、今回は物流の実務目線で、できるだけ噛み砕いて見ていきます。

動画視聴はこちらから

まずは決算の数字をざっくり整理

商船三井は2026年3月期の連結経常利益予想を、1,800億円へ上方修正しました。

前回予想からは280億円の積み増しですが、前期比では57%減益なので、「好決算だけど楽観はできない」という、少し複雑な内容です。

売上高は1兆8,300億円、純利益は2,000億円を想定しています。

為替は1ドル150円前提で、紅海情勢の影響による喜望峰迂回は年度末まで続く想定になっています。

なぜ上方修正できたのか?ポイントは3つ

結論から言うと、コンテナが弱くても、それ以外が強かったという構図です。

  • 自動車船事業が想定以上に安定
  • エネルギー・海洋事業が収益を牽引
  • ドライバルクも地味に回復

① 自動車船は「政策延期」が追い風に

自動車船事業では、米国の通商政策強化によるトレード変更コスト増が懸念されていました。

ただ、実際には政策が延期されたことで、従来の効率的な航路を維持できました。

結果として、想定していたコストが発生せず、利益を押し上げる形になっています。

通期の輸送台数は289万台見込みで、荷動き自体も底堅い印象です。

② エネルギー・海洋事業は「市況に左右されにくい強み」

今回の決算で特に目立つのがエネルギーと海洋事業です。

原油タンカー市況の回復に加えて、MODECが手掛けるFPSOが高稼働を維持しています。

コンテナのように市況で上下しやすい事業だけでなく、インフラ型の長期収益を持っているのが商船三井の強みです。

③ ドライバルクもじわっと回復

ドライバルクでは、ケープサイズの市況が比較的堅調でした。

加えて、子会社ギアバルクでのブラジル→北米向けパルプ輸送が回復している点もプラスです。

派手さはありませんが、利益の下支えとして効いています。

コンテナ専業との「決定的な差」

同時期には、ONEが赤字転落したというニュースも出ています。

商船三井もコンテナ事業の利益予想は据え置きで、ここが好調とは言えません

それでも全体で上方修正できたのは、事業ポートフォリオを分散してきた結果だと言えます。

今後の見通しと実務的な注意点

もちろん安心はできません。

米国の通商政策はあくまで延期であり、再燃すれば自動車物流に影響が出る可能性があります。

一方で、円安と紅海迂回による船腹引き締まりが、当面の下支え要因になりそうです。

物流実務の立場としては、関税・航路変更・駆け込み需要の兆しを引き続きウォッチしておく必要があります。

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