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2026年も自動車船は足りない?PCTCスペース逼迫が続く本当の理由

2026年も自動車船は足りない?PCTCスペース逼迫が続く本当の理由 | イーノさんのロジラジ

正直なところ、そろそろ自動車船のスペースは緩んでくると思っていた人は多いと思います。

2024年から2025年にかけては新造の自動車船が次々と竣工しており、船の数だけを見れば確実に増えているからです。

それでも2026年に入った今も、自動車船(PCTC)のスペース不足は解消されていません

日本郵船の分析や海事新聞の記事を見ても、需給タイトは当面続くという見方が完全に主流になっています。

動画視聴はこちらから

なぜ船が増えてもスペースが足りないのか

では、なぜ船が増えているのにスペースが足りないのか。

ここから、その理由を順番に整理していきます。

原因① アジア発の輸出入アンバランスが限界レベル

まず最大のポイントは、アジア地域における輸出と輸入の極端なアンバランスです。

日本郵船の説明によると、従来は日本・韓国・中国など東アジアからの自動車輸出は、輸入の3〜4倍程度でした。

しかし中国からの完成車輸出が急拡大した結果、2025年にはこの比率が5倍を超える水準に達しています。

輸出 5 輸入 1 差分 4は空船で回航

物流の世界では「片荷」、つまり片道だけ荷物を積んで戻りは空になる状態は、最も効率が悪い形です。

輸出が輸入の5倍ということは、戻り便の多くがバラスト航海にならざるを得ず、船全体の稼働効率が大きく低下します。

船が増えても使えるスペースが増えない最大の理由が、ここにあります。

原因② 輸送距離が長くなり船が回らない

次に効いているのが、輸送距離そのものの長距離化です。

中国からの自動車輸出は、近隣アジア向けだけでなく、欧州や中南米といった遠隔地に広がっています。

さらに2024年以降続く紅海情勢の影響で、スエズ運河を避けて喜望峰回りとなるケースも増えました。

距離増加は6〜7%程度とされていますが、もともと長距離航路である中国〜欧州輸送では、この影響が非常に大きくなります。

結果として1台あたりが船を占有する時間が長くなり、船の回転率が落ちることでスペース不足が慢性化しています。

原因③ 老齢船が多く供給が一気に増えない

三つ目は、自動車船の老齢化です。

現在、世界の自動車船の平均船齢は15年を超えており、過去最高水準にあります。

  • 船齢16年以上の船が全体の約6割
  • 老齢船はスクラップ調整の対象になりやすい

仮に新造船が増えても、古い船が解撤されれば、マーケット全体の供給量は思ったほど増えません。

この構造が、需給タイトを長期化させています。

2026年の見通し スペース不足は続く

結論としては、自動車船市場は当面「売り手市場」が続くと見るのが現実的です。

仮にスエズ運河が完全再開したとしても、中国の過剰生産が続く限り、輸出圧力は弱まりません。

さらに、これまでスペース不足のためにコンテナ船で運ばれていた完成車が、自動車船に戻ってくる回帰需要も控えています。

そのため、スペースが一気に余る状況にはなりにくいでしょう。

物流実務者が押さえておくべき視点

荷主やフォワーダーの立場では、以下を前提に動く必要があります。

  • 長めのリードタイム設定
  • 早期の船腹確保
  • 特定船社への依存回避

完成車物流は、部材不足だけでなく、物流キャパシティそのものが制約条件になる時代に入っています。

2026年も自動車船は、引き続き要注意分野として見ておくべきでしょう。

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