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ハパックロイドがZIM買収へ。黄金株を越えた再編劇

ハパックロイドがZIM買収へ。黄金株を越えた再編劇 | イーノさんのロジラジ

今回のテーマは、ハパックロイドによるZIM買収合意です。

単なる企業買収のニュースに見えますが、実際には世界コンテナ業界の勢力図を動かす再編であり、安全保障とビジネスが交差する非常に興味深い案件です。

動画視聴はこちらから

42億ドルという強気の提示

ハパックロイドはZIMを総額約42億ドルで買収することで合意し、1株35ドルの現金で全株式を取得する方針を示しました。

この価格は直近株価に対して約58%、買収観測前に対しては126%ものプレミアムを乗せた水準であり、相当な本気度がうかがえます。

統合後の船隊は約400隻規模となり、船腹量は300万TEUを超える見通しです。

ランキングが変わる

現在ハパックロイドは世界5位、ONEは6位に位置していますが、今回の統合でその差は一気に広がります。

規模としては世界4位のCOSCOに近づく水準となり、上位5社の競争構図はより明確になります。

  • 船隊規模約400隻
  • 船腹量300万TEU超
  • 上位集中がさらに進行

コンテナ業界はすでに上位10社で約85%を占めており、今回の動きは寡占化を一段と加速させる流れです。

黄金株という難関

ZIMにはイスラエル政府が保有する黄金株があり、これが外国企業による完全買収の壁となっていました。

そこで採用されたのが事業分割スキームです。

イスラエルの投資ファンドFIMIが新会社を設立し、国家戦略上重要とされる16隻と黄金株、そしてZIMブランドを引き継ぎます。

一方で商業的な国際物流機能や大部分の船隊をハパックロイドが吸収する形となり、安全保障を守りつつ実質的な輸送力を確保する構造になっています。

国家安全保障とグローバルM&Aを両立させる、非常に巧妙なスキームと言えます。

今後どうなるか

今回の統合によって荷主企業にとっては選択肢が一つ減ることになり、運賃交渉における船会社側の影響力が強まる可能性があります。

さらにハパックロイドはマースクとの協力体制を進めており、そこにZIMのLNG燃料船やデジタル技術が加われば、サービス効率の向上も期待できます。

一方で規制当局の承認やイスラエル国内の政治的議論という不確実性も残っており、提示価格と市場株価にはまだ差があります。

コンテナ業界の再編は次のステージに入ったと言えるでしょう。

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