投稿日:2026.03.03 最終更新日:2026.03.03
150日間の猶予?トランプ新関税で北米航路はどうなる
今回は2月24日の日本経済新聞の記事をもとに、トランプ政権が打ち出した新たな関税政策と、それが物流やサプライチェーンに与える影響を分かりやすく整理します。
ポイントは、「150日間」という時間制限です。
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最高裁で無効 そこからの“緊急スイッチ”
まず前提として、これまで発動されていた相互関税やフェンタニル関税は、米連邦最高裁によって「大統領に権限はない」と判断されました。
そこで登場したのが通商法122条です。
本来は国際収支対策などのための一時措置ですが、今回はこれを使って150日間限定・最大15%の関税を発動します。
流れを整理
IEEPA関税が無効 → 122条で暫定関税 → 150日後に301条で本格制裁へ
つまりこれは、“本命の301条関税”までの時間稼ぎとも言えます。
一晩で関税リスクが消えた国も?
今回の最高裁判断によって、結果的に得をした国もあります。
中国やブラジルです。
中国は最大44%相当の追加関税リスクが一旦リセットされ、ブラジルも累計50%の上乗せが消えました。
非常に皮肉な展開ですが、今は“関税が軽い”状態になっています。
ここからが本題 駆け込みは起きるのか
物流目線で見ると、最も重要なのはここです。
この150日間に猛烈なフロントローディングが発生する可能性があります。
夏頃には301条による高関税が再びかかる可能性が高い。
ならば今のうちに米国へ在庫を運び込もう、という判断は極めて合理的です。
- 無税・低税率の今のうちに積み増す
- 高関税前に米国内倉庫へ搬入
この動きが一斉に始まれば、北米航路は一気にヒートアップします。
想定される物流リスク
特にアジア―北米間の太平洋航路で、以下のリスクが浮上します。
- 船腹逼迫とスポット運賃急騰
- ロサンゼルス・ロングビーチ港の混雑再発
- 内陸輸送のボトルネック
現場のリアル
150日間は「猶予」でもあり「争奪戦の始まり」でもあります。
今動くべきこと
物流・SCM担当者にとっては、今が判断の分岐点です。
船腹の確保、在庫前倒し、フォワーダーとの交渉。
動き出しが遅れれば、夏前にはスペースも価格も跳ね上がる可能性があります。
今回の関税は単なる政治ニュースではありません。
北米航路の需給バランスを揺らすトリガーになり得ます。
この150日間をどう使うかが、2026年の物流コストを左右するかもしれません。






