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通関料金ついに値上げ?30年据え置きだった業界に大きな転機

通関料金ついに値上げ?30年据え置きだった業界に大きな転機 | イーノさんのロジラジ

今回は3月10日の海事新聞の記事「通関業、価格転嫁へ機運。日本通運で弾み、大綱提言も追い風」をもとに、通関業界で動き始めた価格転嫁の流れについて解説していきます。

実は通関料金は約30年間ほとんど変わっていません。

そんな状況の中で、日本通運が平均25%の値上げを発表しました。

この決断をきっかけに、通関業界全体の価格構造が動き始める可能性が出てきています。

動画視聴はこちらから

30年間ほぼ変わらなかった通関料金

まず今回のニュースのポイントから見ていきましょう。

日本通運は2026年1月から通関・保税関連業務の基本料金を平均約25%引き上げました。

すでに500社程度の顧客から了承を得ていると報じられています。

現在の通関料金は1995年に設定された上限額が、そのまま業界の標準のような形で続いています。

輸出申告は1件5,900円、輸入申告は1万1,800円です。

しかしこの30年の間に、人件費は大きく上昇しました。

最低賃金は当時と比べてほぼ2倍になっています。

つまり仕事にかかるコストは大きく上がっているのに、料金だけが長年据え置かれてきたという構図です。

実は仕事はどんどん増えている

さらに通関の仕事は昔よりも確実に複雑になっています。

例えば次のような要素です。

  • 働き方改革への対応
  • 輸入貨物の増加
  • 申告1件あたりの品目数増加
  • EPAなど制度対応の増加
  • システム関連費用の増加

つまり、業務負荷は年々増えている状況です。

それでも料金は長年据え置かれてきました。

名古屋通関業会のアンケートでは「今の料金ではとても業として商売に乗ってこない」という声まで出ています。

日通の値上げが業界の空気を変えた

今回のニュースで大きな意味を持つのが、日本通運という業界最大手が値上げを決断したことです。

日本通運は年間約130万件という国内最大級の通関件数を扱っています。

その企業が価格改定を発表したことで、業界の空気が少しずつ変わり始めています。

首都圏の中堅海貨業者からは「日通さんの発表を見て、当社も25%程度の値上げを目標に顧客へ説明を始めた」という声も出ています。

別の海貨業者からも「日通さんが殻を破ってくれた。動くなら今しかない」というコメントが出ています。

とはいえ簡単に値上げできるわけではない

ただし、すべての企業がすぐに値上げに踏み切れるわけではありません。

通関業者の多くは、港湾運送や倉庫、フォワーディングなどと組み合わせてビジネスをしています。

そのため通関料金だけを単独で値上げするのは、実はそれほど簡単ではありません。

また荷主との関係によっては「値上げを求めると契約を切られるのではないか」という不安もあります。

そのため業界内でも様子見の企業はまだ多いようです。

政府も価格転嫁を後押し

今回の動きには、政府の後押しもあります。

財務省関税局は2024年12月、関税や消費税の立て替え問題や価格転嫁について荷主団体へ注意喚起を行いました。

さらに2026年から2030年の物流大綱に向けた提言では、越境ECの拡大に伴い通関業の役割がますます重要になることが明記されています。

こうした政策の流れを見ると、通関業界が価格改定に踏み出しやすい環境が少しずつ整いつつあると言えそうです。

通関業は物流の入口

通関業務は国際物流の入口にあたる非常に重要な仕事です。

もし通関業界の経営が不安定になれば、日本の貿易そのものに影響が出る可能性があります。

特に越境ECが拡大する中で通関件数は増え続けています。

そのため適正な料金水準の確立は、人材確保や業務品質の維持という意味でも重要なテーマになっています。

今後どうなるのか

今後1年ほどで通関業界の価格構造は大きく変わる可能性があります。

日本通運の値上げが成功すれば、他社も追随し新しい料金水準が業界全体に広がる可能性があります。

ただし荷主との交渉は企業ごとに事情が異なるため、営業力や顧客関係によって結果が分かれるかもしれません。

長期的には適正な価格水準が確立されることで、通関業界の持続可能性が高まり、日本の国際物流基盤の強化にもつながると考えられます。

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