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ホルムズ海峡封鎖で海運はどうなる?中東戦争が物流に与える影響

ホルムズ海峡封鎖で海運はどうなる?中東戦争が物流に与える影響 | イーノさんのロジラジ

今回はジャーナルオブコーマスの記事『ペルシャ湾封鎖が海運に与える衝撃:パンデミック規模ではないが混乱必至』を参考に、中東戦争が海運や物流にどんな影響を与えるのかをカジュアルに整理していきます。

ニュースだけを見ると「また物流危機なのか」と感じる方もいるかもしれません。

ただ海運アナリストのラース・イェンセン氏は、今回の状況について「確かに問題ではあるがパンデミック規模の災害ではない」と分析しています。

とはいえ物流への影響が出始めているのも事実です。

動画視聴はこちらから

約200万TEUの貨物が影響

現在の中東戦争の影響で、ペルシャ湾とホルムズ海峡は事実上封鎖された状態になっています。

その結果、湾岸向けコンテナ貨物約200万TEUが影響を受ける可能性があると見られています。

この数字にはすでに船に積まれている貨物だけでなく、今後90日以内に予約されている貨物も含まれています。

つまりしばらくの間、中東向け物流はかなり不安定な状況が続きそうです。

今回影響を受ける貨物量
約200万TEU(積載済み+90日以内予約貨物)

スエズ運河復帰の期待が消えた

ここで物流業界にとって大きなポイントになるのがスエズ運河問題です。

紅海ではフーシ派による船舶攻撃が続いており、多くのコンテナ船はアフリカ南端を回る迂回ルートを使ってきました。

昨年10月にイスラエルとハマスの停戦が成立したことで、海運業界では「2026年にはスエズ航路が本格復帰するのでは」という期待も出ていました。

しかし今回の中東戦争によって、この見通しはほぼ消えてしまいました。

イェンセン氏は、仮に今日戦争が終わったとしてもスエズ航路を再検討するまで最低6ヶ月はかかると指摘しています。

スエズ航路の現状
紅海攻撃 → アフリカ迂回継続
中東戦争 → 復帰見通し後退
再検討まで最低6ヶ月

燃料サーチャージが急上昇

もう一つ大きな影響が出ているのが燃料価格です。

中東情勢の緊張によって石油価格が上昇し、それに連動して船舶燃料であるバンカー価格も上がっています。

こうなると海運会社はコストを吸収できないため、緊急燃料サーチャージを導入する可能性が高くなります。

今回の特徴は、これが中東航路だけの問題ではないという点です。

燃料価格が上がれば、世界中の航路で追加費用が発生する可能性があります。

  • 緊急燃料サーチャージ
  • 紛争サーチャージ
  • 各種追加費用

こうした形でコストが上乗せされる可能性があります。

太平洋航路にも影響

「中東の問題なら日本には関係ないのでは」と思う方もいるかもしれません。

しかし実際には、アジアの港湾混雑を通じて太平洋航路にも影響が広がる可能性があります。

湾岸向け貨物の滞留や航路変更によって、アジアの主要港では船舶スケジュールの乱れが出始めています。

こうした混乱が港湾処理能力を下げ、結果として他航路にも影響が波及する可能性があります。

  • 湾岸向け貨物の滞留
  • 船舶スケジュール混乱
  • 港湾処理能力低下

運賃上昇の可能性

本来、現在の海運市場は新造船の増加によって供給過多になりつつありました。

つまり通常なら運賃は下がる方向だったわけです。

しかしアフリカ回りの迂回航路が続くことで実質的な輸送能力が減り、結果として需給バランスが引き締まっています。

この状態が続くと、海運会社の価格決定力が強まり運賃上昇圧力が出てくる可能性があります。

海運市場の構造変化
迂回航路継続 → 実質船腹減少 → 需給引き締まり → 運賃上昇圧力

日本への影響

日本にとって一番大きい問題はエネルギーです。

日本は原油輸入の約9割を中東に依存しています。

そのためホルムズ海峡封鎖はエネルギー供給リスクに直結します。

さらにコンテナ輸送の面でも、日本と欧州を結ぶ航路では輸送コスト上昇が避けられません。

燃料サーチャージの上昇によって、輸出入コスト全体が押し上げられる可能性があります。

今後6ヶ月の見通し

短期的には石油価格と燃料価格の上昇が続く可能性があります。

それに伴い海運会社によるサーチャージ導入や引き上げが進むでしょう。

港湾混雑やスケジュール遅延も当面続くと見られています。

中期的にはスエズ運河復帰のタイミングが最大の焦点になります。

ただ現時点では少なくとも6ヶ月は延期される可能性が高いと見られています。

海運会社は当面アフリカ回りの運航体制を維持し、荷主企業はサプライチェーンの見直しを進める必要がありそうです。

当面の物流リスク
燃料価格上昇
サーチャージ増加
港湾混雑
輸送コスト上昇

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