投稿日:2025.08.07 最終更新日:2025.08.07
トヨタが中国部品をタイで採用?タイの自動車日系企業に激震が走る!

今日は国際物流の現場でも超注目のニュース、「トヨタがタイで中国製部品の調達を拡大」という話題を取り上げます。
これは東南アジアのサプライチェーンにおける大きな転換点と言っていいでしょう。
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トヨタがタイで中国部品を採用へ
トヨタは2028年からタイで生産予定の新型電動車(EV・HV)に、中国の部品メーカーから調達したパーツを採用する方針です。
具体的にはトヨタと取引のあるサミットグループに対して、中国の吸音材メーカー「蕪湖躍飛(ぶこやくひ)」を紹介し、すでにタイでの合弁会社設立が始まっています。
金型メーカーの「浙江凱華模具」や、樹脂材料メーカーの「金発科技」なども、日系サプライヤーへの採用を働きかけているようです。
何が起きているのか?
かつてのタイの自動車部品サプライチェーンは、ほぼ日系企業の独壇場でした。
しかし最近は、中国車メーカー(BYDなど)がEVで急成長し、タイ市場を攻めてきています。
2025年1〜5月時点の新車シェアは日本車が71%、中国車は16%まで上昇。
そこでトヨタは「勝てるコスト構造」を構築するために、中国メーカーの強みである価格競争力を活かそうとしているわけです。
中国部品の何がすごいのか?
中国メーカーの部品は、日系より2〜3割安いとされており、トヨタとしては部品コストを最大30%削減したい考え。
すでに中国本土で販売しているEV「bZ3X」では、コストを抑えた中国部品を活用しており、これを東南アジア向けにも展開しようという戦略です。
ロジスティクスへの影響は?
この動きは我々物流業界にとっても無視できません。
- 輸送ルートの見直し:中国→タイへの部品輸送が当たり前になってくる
- 港湾・通関対応の強化:中国製部品の関税や規制対応が増える可能性
- タイ国内のローカル工場間物流の活発化:合弁企業からトヨタ工場へのJIT納品など
今まで「日→タイ」の一方向だった物流が、「中→タイ」「中→日→タイ」など、かなり多様化していく可能性があります。
日系サプライヤーはどうする?
ここで問われてくるのが、日系部品メーカーの立ち位置です。
中国部品の価格に勝てず、撤退や縮小を迫られる企業も出てくるとの声もあります。
“信頼と品質”だけでは戦えない時代が、本格的に到来しつつあります。
まとめ
- 中国→東南アジアの部品輸送が増える
- トヨタをはじめとする日系メーカーが中国製サプライヤーを積極採用
- 東南アジアの製造拠点の物流構造が変わる可能性が高い
- 物流企業は“中・日・ASEAN”三国間のハンドリングに精通しておくべき
これからますますサプライチェーンの地政学的な変化が加速していきますね。
こうしたトレンドを押さえておけば、物流業界でも“次の一手”が打ちやすくなります。