投稿日:2026.01.29 最終更新日:2026.01.29
紅海危機が再燃?フーシ派の動きでスエズ復帰に再びブレーキ
今回は、紅海情勢が再び緊迫してきた背景と、それによってスエズ運河復帰がなぜ一気に遠のいたのかを、少しラフな目線で整理してみます。
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今回のポイントは「安全確認」ではない
まず最初に押さえておきたいのは、今回のポイントは「スエズ運河が安全になったかどうか」ではないという点です。
本質は、フーシ派が再び攻撃を示唆する明確なメッセージを出したことで、船社も荷主も判断を一段引き締めざるを得なくなったことにあります。
フーシ派が発した強烈なシグナル
フーシ派は、商船が炎上する映像を使い、見出しに「Soon」という強い言葉を掲げた動画を公開しました。
これは単なるプロパガンダではなく、米国がイランへの軍事的圧力を強めていることへの明確な牽制と見るのが自然です。
つまり紅海は、依然として地政学リスクの最前線にあり、スエズ復帰を前提に語れる段階にはまだ達していないということです。
船会社の判断が一斉に慎重化
この動きは、すぐに海運各社の判断にも影響しています。
- フランスのCMA CGMは、スエズ復帰を検討していた欧州航路について、引き続き喜望峰経由を継続する方針を明確にしました。
- マースクは、MECLサービスでスエズ復帰を予定していましたが、今回の情勢悪化を受けて判断を再検討する可能性が高まっています。
船社としては、当然ながらスエズを使った方が燃料コストもリードタイムも改善します。
ただし、一度でも被弾すれば人的リスク、保険、レピュテーションへの影響は計り知れません。
そのため現在は、「行けるかどうか」ではなく「行くべきかどうか」という判断フェーズに完全に入っています。
物流実務に直結する影響とは
物流実務の目線で見ると、ここが非常に重要なポイントです。
紅海リスクが再燃すると、次のような影響が同時に起こりやすくなります。
・喜望峰迂回の長期化 ・リードタイムの不透明化 ・船腹供給の引き締まり ・スポット運賃の下支え
最近まで「需給が緩んで運賃は下がる」という見方がありましたが、ここに地政学リスクという別軸が再び乗ってきました。
つまり今の市況は、単純な需給ではなく、Supply Chain × Geopoliticsで動いているということです。
荷主が今とるべきスタンス
荷主の立場で考えると、スエズ復帰を前提にした短縮リードタイムの計画はまだ危険と言わざるを得ません。
むしろ、喜望峰経由を前提に余裕を持った納期設計を続けること、必要に応じて航空輸送や代替ルートを検討することが、現実的なBCP対応になります。
紅海情勢は「終わった問題」ではありません。
いつでも再燃する前提リスクとして、サプライチェーン設計の横に常に置いておくべきテーマです。
物流は静かなときほど、次の波が来ます。
今回のフーシ派の動きは、その波がまだ終わっていないことを示すサインだと感じています。






