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ニッチ船社が再び台頭?アジア〜北米西岸航路で13%のシェア拡大

ニッチ船社が再び台頭?アジア〜北米西岸航路で13%のシェア拡大 | イーノさんのロジラジ

2025年5月、アジア〜北米西岸航路でニッチ船社の存在感が再浮上しています。最新データによると、彼らの市場シェアは13%に到達。

今回はニッチ船社とは何か、その背景や今後の展望について解説します。

ニッチ船社とは?

ニッチ船社とは、メガキャリア(大手船社)とは異なる、中小規模で配船数の少ない独立系の船会社です。

通常は長距離航路への参入は限定的ですが、運賃高騰や供給不足といった市況のすき間を狙って市場に参入し、収益を確保する動きが特徴です。

北米西岸航路で13%のシェアに拡大

2024年1月には7%だったニッチ船社のシェアが、2025年5月には13%に拡大しました。

背景には以下のような要因があります:

  • 地政学リスクの高まり(紅海危機・台湾情勢)
  • スポット運賃の急騰
  • メガキャリアの運航不安定化

こうした状況の中で、アジア〜北米西岸航路に新たに参入した船社が供給全体の4.5%を担うまでに拡大しています。

代表的な例:

  • CU Lines(TP1航路から再参入、現在は0.8%のシェア)
  • BAL Container Line

コロナ禍との類似点

この動きは、2021〜2023年のコロナ禍時期と非常に似ています。

当時も運賃の急騰により、ニッチ船社のシェアは一時的に15%近くまで増加しました。しかし市況が正常化すると、彼らの多くは撤退しました。

今回も同様に、高運賃が続く限りニッチ船社の台頭は続くと見られています。

今後の見通し:一過性か、定着か

業界関係者の声:

  • 「このピークは一時的なものかもしれない」
  • 「また需給が緩和されれば、撤退は避けられない」

ニッチ船社は市況次第で柔軟に動ける反面、継続的なプレゼンスの維持は難しいという側面もあります。

荷主・フォワーダーへの影響

ニッチ船社の再参入は、荷主やフォワーダーにとってメリットとリスクの両面を持ちます。

メリット:

  • メガキャリアでスペースが取れない場合の代替手段
  • 比較的安価なスポット運賃の可能性
  • フレキシブルなサービス提供

デメリット:

  • スケジュールの不安定さ
  • 通関対応・現地品質にばらつき
  • 突然の撤退リスク

まとめ:海運市場の変化にどう備えるか

今回のニッチ船社シェア13%回復は、変化し続ける海運マーケットのダイナミズムを象徴しています。

特にアジア〜北米航路では、地政学や需給の変化によりプレイヤーの入れ替わりが激しい状況です。

荷主や物流担当者には、常に最新情報を収集し、状況に応じた柔軟な対応が求められています。

動画視聴はこちらから