投稿日:2025.06.16 最終更新日:2025.06.16
ニッチ船社が再び台頭?アジア〜北米西岸航路で13%のシェア拡大

2025年5月、アジア〜北米西岸航路でニッチ船社の存在感が再浮上しています。最新データによると、彼らの市場シェアは13%に到達。
今回はニッチ船社とは何か、その背景や今後の展望について解説します。
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ニッチ船社とは?
ニッチ船社とは、メガキャリア(大手船社)とは異なる、中小規模で配船数の少ない独立系の船会社です。
通常は長距離航路への参入は限定的ですが、運賃高騰や供給不足といった市況のすき間を狙って市場に参入し、収益を確保する動きが特徴です。
北米西岸航路で13%のシェアに拡大
2024年1月には7%だったニッチ船社のシェアが、2025年5月には13%に拡大しました。
背景には以下のような要因があります:
- 地政学リスクの高まり(紅海危機・台湾情勢)
- スポット運賃の急騰
- メガキャリアの運航不安定化
こうした状況の中で、アジア〜北米西岸航路に新たに参入した船社が供給全体の4.5%を担うまでに拡大しています。
代表的な例:
- CU Lines(TP1航路から再参入、現在は0.8%のシェア)
- BAL Container Line
コロナ禍との類似点
この動きは、2021〜2023年のコロナ禍時期と非常に似ています。
当時も運賃の急騰により、ニッチ船社のシェアは一時的に15%近くまで増加しました。しかし市況が正常化すると、彼らの多くは撤退しました。
今回も同様に、高運賃が続く限りニッチ船社の台頭は続くと見られています。
今後の見通し:一過性か、定着か
業界関係者の声:
- 「このピークは一時的なものかもしれない」
- 「また需給が緩和されれば、撤退は避けられない」
ニッチ船社は市況次第で柔軟に動ける反面、継続的なプレゼンスの維持は難しいという側面もあります。
荷主・フォワーダーへの影響
ニッチ船社の再参入は、荷主やフォワーダーにとってメリットとリスクの両面を持ちます。
メリット:
- メガキャリアでスペースが取れない場合の代替手段
- 比較的安価なスポット運賃の可能性
- フレキシブルなサービス提供
デメリット:
- スケジュールの不安定さ
- 通関対応・現地品質にばらつき
- 突然の撤退リスク
まとめ:海運市場の変化にどう備えるか
今回のニッチ船社シェア13%回復は、変化し続ける海運マーケットのダイナミズムを象徴しています。
特にアジア〜北米航路では、地政学や需給の変化によりプレイヤーの入れ替わりが激しい状況です。
荷主や物流担当者には、常に最新情報を収集し、状況に応じた柔軟な対応が求められています。